研修医実習レポート


 

沖縄赤十字病院
研修医

大城 早貴

実習期間

2019年2月4日〜2019年2月28日

私は地域医療研修として1カ月間、はいさいクリニックで在宅医療について学ばせていただきました。
研修開始当初は恥ずかしながら、在宅医療のイメージが全くつかめておりませんでした。しかし今回の研修を通して、在宅医療とは何かという答えを自分の中でもつことができました。
特に新患さんの退院カンファレンスから実際に在宅医療介入までの流れを見る機会を得られたことが私の在宅医療のイメージにとても影響を与えました。その方は長期に入院をされており、終末期はご自宅で過ごしたいという意思を強くお持ちの方でした。退院する前に病棟にて多職種でカンファレンスを行い、顔合わせを行いました。そのときの表情と実際に患者さんがご自宅に戻られたときに「やっぱり家はいいな」と安心されたような表情の違いに驚かされてしまいました。そして「こんなにいっぱいの人が私たちを支えてくれて自宅に帰って過ごすことができることに本当に感謝している。幸せです」というお言葉をきいたときに、在宅医療を現した言葉だなと感じました。
この経験や1カ月の研修を通し、在宅医療は患者さんの人生を医療の側面から支えるものでありながら、社会面や介護の面でも支え、それを実現するためにはクリニックのみではできず、様々な職種が連携することで在宅医療が実現できることを学びました。
そしてもう一つ在宅医療の上で最も大切な存在は何より家族の愛だということを強く感じました。どのご家庭もご自宅でみる覚悟は持たれていつつも、それに伴う不安は感じられているようでした。先生や看護師さんは患者やご家族さんと診察を通して、コミュニケーションをとりながら声かけをすることで患者さんやご家族さんの不安を取り除いておられました。特に先生はとてもユーモラスな方でみなさんを笑顔に変えていたことは印象的でした。先生や看護師さんをみたときの患者さんやご家族の安心した表情を忘れることができません。患者さんやご家族と信頼関係を築いていくことは在宅医療においてはより求められる要素だと感じました。
最後になりますが、この1カ月このような貴重な研修を送らせていただいた石田先生をはじめ、はいさいクリニックのスタッフの皆様、患者様およびそのご家族の皆様、本当にありがとうございました。患者さんのために医療はどういう形であるべきか深く考える機会を得ることができ、これからの医療に活かしていきたいと思います。