研修医実習レポート


 

沖縄赤十字病院
研修医

金城 晶彦

実習期間

2021年1月4日〜2021年1月31日

今回、地域医療の一環としてはいさいクリニックを回らせていただきました。1ヶ月と短い期間ではありましたが、その間で在宅医療に対する見方が大きく変わりました。
まず、在宅医療でできることがかなり広いことを知りました。はいさいクリニックでは輸液の種類も多く、抗生剤もメロぺネムまでカバーされており敗血症まで対応できるとは以前までは思いもしませんでした。確かに在宅医療ではレントゲンやCTは撮影出来ませんが、問診やフィジカルやエコーで判断できることも多く、そういった診察の大切さを改めて実感できました。先生方も非常に知識が豊富でそのような診察の仕方を色々と教えてくださり大変勉強になりました。はいさいクリニックは丁寧な診察、24時間対応、さらには腹水穿刺などの手技も行っており病院までとはいかないもののそれに匹敵するような医療は提供できているのではないかなと思いました。さらに、レビー小体型認知症などの患者のADLや覚醒状態の調節が必要な疾患は、普段患者をみている家族の方が変化に気づきやすいということもあるためか病院より在宅医療の方が調節がうまくいっているなと思いました。これらは偏に石田院長先生の患者を在宅で診てあげたいという熱意からきているものだと感じました。
また、患者と医療従事者という関係のみならず、患者の家族まで含めたケアをしているというところに感銘を受けました。もちろん、病院でも患者の家族を含め患者の意見を尊重するのですが、在宅医療において患者は家におり、ほぼ毎日のケアに家族が関わってくるため家族の意見というものは非常に重要なものになってきます。はいさいクリニックでは疾患のみならず、”家庭“そのものをしっかりとみており、各家庭に合わせた医療を提供しているところに魅力を感じました。医師、看護師含め県外出身の方がほとんどを占めているのにも関わらず、沖縄のことに詳しく方言まで親しんでおり家族に溶け込んでいる印象を受け、こういったことを含めて各家庭に合わせた医療が出来上がっていくのだなと実感しました。
 はいさいクリニックを回り、非常に多くのことを学び訪問診療の魅力に触れることができました。石田院長先生をはじめ、はいさいクリニックの皆様には1ヶ月の間大変お世話になりました。ここで学んだことを生かして今後の診療に向き合っていけたらなと思います。今回は地域研修を快く受け入れてくださり誠にありがとうございました。